8月2日(日)に行われた中国ブロック代表決定戦では、都道府県予選を勝ち抜いた選手たちがオンライン上に集結。「Red Bull TV」での配信では、レースアナウンサーの村田晴郎さんと、ポリフォニー・デジタルのYAMが実況・解説を担当。オンラインで多くの視聴者が見守るレースを、熱く盛り上げました。

ブロック代表決定戦では、予選レース、敗者復活レース、決勝レースの3つのレースを行い、各ブロックの代表選手が決定されます。一般の部、少年の部とも、参加選手を2グループに分けた予選レースを行い、各グループの上位5名、合計10名が決勝レースに進出します。予選レースで6位以下だった選手は敗者復活レースに進み、その上位2名が決勝レースに出場。決勝レースでは、上位の1～5名がブロック代表として選出され、本大会への出場権を手にします。なお、ブロック代表に選出される人数はブロックごとに異なり、今回の中国ブロック代表決定戦では少年の部、一般の部からそれぞれ上位1名ずつ、合計2名が代表に選出されました。

一般の部の決勝レースでは、昨年の「全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2019 IBARAKI」でも岡山県代表として本大会に挑んだ奥本博志（おくもと・ひろし）選手が、その実力をほかの選手に見せつけました。

予選レースで奥本選手は、コースとの相性がいいといわれるR8 LMS '15を選ぶライバルが多い中、ただ一人ランサーエボ. Final Gr.3を選んで4位スタートから2ランクアップの2位で予選を突破。さらに決勝のタイムアタックでは、ストレートで力を発揮するGT-R GT3 Schulze Motorsport '13を駆り、同じく岡山県代表で2番手のタイムを出していた吉實隼稀（よしざね・じゅんき）選手にコンマ3秒差をつけ、ポールポジションを獲得して決勝レースに挑みました。

始まったレースでも、奥本選手はオープニングラップからトップを快走。なんとか追走しようとする2位の吉實選手から少しずつリードを奪い、3周目で約2秒差という大きな差をつけることに成功。そのままレース中盤、終盤とほとんどペースを落とすことなく走り切り、最終的に後続にほぼ5秒差をつけて、ファステストラップも叩き出すパーフェクトウィンで優勝を飾りました。

奥本選手は、岡山県を代表する選手として中国ブロック代表選手の座を獲得し、2年連続で本大会へと進出します。

少年の部の決勝レースは、一般の部の奥本選手と同じく、昨年の「全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2019 IBARAKI」本大会に岡山県の少年の部代表として出場した、14歳の石水優夢（いしみず・ひろむ）選手が自身のパフォーマンスの高さを披露しました。

石水優夢選手は9歳の弟の石水可夢偉（いしみず・かむい）選手とともに兄弟で中国ブロック代表決定戦に出場。残念ながら可夢偉選手は決勝レース進出を果たせませんでしたが、兄の優夢選手は予選Aグループのレースをトップで通過し、弟のぶんも力走を見せました。決勝のタイムトライアルで、石水選手は中国ブロック内のもうひとりの有力選手だった岡山県の浪井楓（なみい・かえで）選手をコンマ6秒上回るタイムで破ってポールポジションを獲得。岡山県代表によるフロントロー独占の状態で決勝レースが始まりました。

スタート後、1位の石水選手と2位の浪井選手は、3位以下がやや混戦になったことにも助けられながらレースをリード。浪井選手は石水選手のスリップストリームについて近づくチャンスをうかがいましたが、3周目に入って石水選手がスパートを開始し、浪井選手を引き離しにかかります。浪井選手は逃げるトップにアグレッシブな走りで食らいつこうとしますが、タイヤが消耗し始めた5周目で4輪脱輪によるペナルティを受け、1秒ほどのリードを許すことに。後方からのプレッシャーが軽くなった石水選手は、ファステストラップも記録するミスのないドライビングで8周目まで走り切り、見事1位でチェッカーを受けました。この勝利で、石水選手は岡山県と中国ブロックを代表する選手として、本大会への切符を手にしました。